新型コロナ感染拡大により海外旅行が遠い存在になってから早2年、ようやく日本の水際対策も緩和されて海外旅行解禁ムードも徐々に高まってきています。
とはいえ、まだコロナ以前のように自由に出国・入国手続きができるわけではありません。具体的な内容はテレビでもあまり報道されていないので、「帰国する時に全員隔離しないとダメなんでしょ?」「行けると分かってても準備や手続きが大変そうで不安…。」と思っている方も多いようです。
そこで今回は、実際に一般会社員の僕が先月2022年3月末にシドニー3泊5日旅行に行き、日本対オーストラリア戦を現地観戦してきた経験をもとに、一切隔離なしで海外渡航〜日本帰国する流れをまとめたいと思います。
こちらの記事は2022年4月時点の情報です。各国の渡航制限や水際対策は数ヶ月で変更される可能性が高いため、最新情報を確認するようにしてください。
【2022年4月時点】現在の海外旅行の状況について
2022年3月1日から日本人を対象とした日本入国時の水際対策は大幅に緩和されており、一定条件を満たせば観光目的の海外旅行であっても十分行ける状況になっています。
日本帰国時隔離免除の条件
まず、2022年3月1日より日本人に対する日本入国時の自宅待機期間制限は以下の通り。(厚労省HPより)
上表のように、「待機なし」となるには以下条件を満たせばOKです。
- 指定国・地域滞在歴なし
- 3回ワクチン接種済み
- 検疫で抗原検査陰性
ワクチン3回接種していれば待機不要で日本に入国することができます!ただし検疫での抗原検査は今も全員必須です。
仮にワクチン未接種や指定国滞在があり自宅待機が必要な場合であっても、3日間の自宅隔離のみで済ませることができ、さらに空港から自宅までの公共交通機関の利用もOKとなっています。以前のような指定ホテルでの強制隔離などはありません。
追記
6月1日より指定国以外からの入国であれば、検疫での抗原検査は不要に変更されました。多くの国ではワクチン未接種であっても検査不要です。
ただし、帰国前の現地でのPCR検査は引き続き必要となっています。
指定国・地域はどこがある?
指定国・地域は3月1日時点ではまだ数も多かったものの、何度か改正されて4月6日発表時点ではたったの8カ国・地域のみとなっています!
- ロシア全土
- トルコ
- サウジアラビア
- スリランカ
- 韓国
- エジプト
- パキスタン
- ベトナム
※厚労省HPより
これ以外の国であれば、ヨーロッパやアメリカなどもワクチン3回接種で帰国時の隔離不要となってるんです。隔離必要な国の方が圧倒的に少ないので、ほとんどの国は問題ないと思って良いでしょう。
指定国は更新されるたびに少なくなっているものの、新たに措置追加となる可能性もあるため最新情報は必ず厚労省HPで確認するようにしてください。
海外各国の入国制限は?
では、海外に入国する際の制限はどうなっているのでしょうか。
海外に関しては一部の国を除き、日本よりももっと前から私たち外国人に対しても観光目的での入国可能となっている国がほとんどです。
オーストラリアの場合
まず、僕が実際に行ったオーストラリアについては、2022年4月時点ではワクチン2回接種を完了していれば観光目的の外国人であっても入国可能です。しかも4月28日からはなんとワクチン未接種者であっても入国できるようになります。
僕が渡豪した時はPCR陰性証明書が必要でしたが、4月18日より陰性証明も撤廃されました。
ただ、国とは別で州独自のルールが設けられており、シドニーのNSW州では迅速抗原検査(RAT)キットによる検査を入国24時間以内に行う必要があります。とはいえ、自主的に行うだけで陰性であれば報告も必要なく、RAT検査キットも今は日本の薬局やAmazonで1000円ほどで入手可能なものなのでそこまで大きな規制ではありません。これも州によっては撤廃されつつあるので、不要になる日も近いのではないかと思われます。
一方で観光ビザETASの取得や、DPDというデジタル申請が事前に必要になるので、その辺りはよく調べて準備してください。
W杯開催国カタールの場合
今年11〜12月にワールドカップを開催するカタールの場合、出発48時間以内のPCR検査陰性証明書の提示は今も必要ですが、ワクチン2回接種していれば隔離不要で入国可能です。
また、カタール保健省の「Ehteraz」アプリでの出国3日前までにワクチン接種証明書などを提出するといった事前準備もあります。
おそらくW杯開催時までには規制も変わっていると思われるので、また大会時期が近くなったら別の記事でもまとめたいと思ってます。
その他ヨーロッパ諸国
そして、欧州サッカー観戦などで行かれる方も多いヨーロッパについては、ドイツやスペイン、イタリアなどほとんどの国でワクチン2回接種を完了していれば規制なしで自由に入国することができます。(国によってはアプリでの事前申請などあり)
イングランドに至ってはもはやワクチン接種証明書すら不要で、コロナに関する入国制限は一切ないので、コロナ以前と同じように旅行に行くことができるようになってます。
参考)海外の入国規制を調べるのにおすすめのサイト
上記のように海外旅行を計画する際に、訪れる国の入国制限を調べる場合は下記サイトを参考にしてください。
- 新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置 – 外務省 海外安全ホームページ
- アフターコロナ時代の各国出入国情報をお届けする新型コロナ × 海外旅行・海外出張情報サイト – グローバルWiFi
外務省HPはもちろんですが、グローバルWiFiの専用サイトは見やすく最新情報も反映されているので非常に便利でした。これから海外旅行を計画する場合は必須のサイトになると思います。
オーストラリア弾丸旅行に行ってきた!渡航手続きから帰国時の流れ
以上より、確かに観光目的であっても海外旅行に行くことができると分かったと思いますが、やはり実際に行ってみないと想定してないことが起きたり、書類のチェックが厳しくて苦労するのではないかと不安に思う方も多いと思います。
そこで、一般会社員の僕が実際にたった2日間の有給だけで週末にオーストラリア3泊5日弾丸旅行してきた際の流れを時系列的にレポートします!
出国前の準備・当日の流れ
航空券の購入
まず、今回のオーストラリア旅行は急遽出発2週間前くらいから計画し始めたので、正直航空券の手配が一番苦労しました(笑)
マイルが余っていたのでビジネスクラスで行こうと思っていたのですが、なんとこの時期でもビジネスクラスの特典航空券枠は満席。
ビジネスの空席が出るかと様子を見て粘っていたら、なんとエコノミーまで空きがなくなってきてしまうという事態に。しかも2名分予約する必要があったので、なんとか直前キャンセルが出たところを確保できたのは出発3日前のことでした…。
今は本当に航空券が高くなっていて、同じ日程で調べてみるとANA直行便はエコノミーでも往復40万円近くするんです…。マイルを持ってなかったら絶対に買えない値段なので、本当にマイルを貯めといてよかったなと思いました。
これだけ高くても帰りの便は留学帰りの方達などでほぼ満席となっていました。コロナ禍でガラガラだろうと油断していると、運休となってる航空会社が増えていたりして逆に航空券が取りづらい状況になることも多そうです。
ワクチン接種証明書、ETAS、DPDなど申請書準備
航空券を手に入れて行くと決まったら、早速出国に必要な書類を準備します。
まず、海外旅行必須のワクチン接種証明書は、マイナンバーカードがあればアプリで表示可能です。わざわざ紙で持ち歩く必要なんてありません。
新型コロナワクチン接種証明書アプリ
デジタル庁無料posted withアプリーチ
あとはオーストラリアの観光ビザ「ETAS」の取得と、デジタル入国申告書「DPD」を提出する必要があります。少し面倒ではあるものの、どちらもアプリで手続きすることができます。
全て英語での回答することになりますが、詳しく手続き方法まとめてるサイトがたくさんあるので参考にしてみてください。
また、オーストラリアに限らず予め申請が必要になってる国も今はたくさんあるので、必ず調べておくようにしましょう。
海外渡航用PCR陰性証明書の取得
今はオーストラリア入国時のPCR陰性証明書は不要となりましたが、当時は必要だったため検査を受けて海外渡航用のPCR検査を受けました。
最近だと自治体の制度で無料で受けれたりもするPCR検査ですが、海外渡航用の証明書を発行できる病院となると1万5千円〜3万円くらいかかってしまいます…。僕は都内でも最安の7500円で証明書を発行してくれることで有名な「ちびっこの科学と遊び株式会社PCR 浜松町」を利用しました。他と比べると格安だしちょっと名前も怪しいのですが、テレビにも出てる医師が運営してて実績もありスムーズに利用できました。
国や航空会社によっては、1900円で受けられる木下グループの陰性証明書でも問題ない場合もあるそうですが、パスポート番号・生年月日など記載してもらえないため注意してください。
出発2時間前に羽田空港到着
いよいよ出発当日。日本から出国する当日空港での流れについてお伝えします!
この日は仕事終わりにそのまま空港に向かったということもあり、以前とあまり変わらない出発2時間前に到着しました。
チェックインカウンターは書類のチェックに手間取ってる方もいて少し混雑していましたが、ワクチン接種証明書、PCR陰性証明書、ビザ、DPDをパスポートと一緒にチェックしてもらうだけなので、わりとスムーズに終えることができました。
見せる書類は以前より増えたものの、手荷物検査などはほとんど並ぶことはないので、2時間前到着でも十分余裕を持って出国手続きできると思います。
飛行機に乗ってる間も食事中以外はマスク着用する必要があるくらいで、国内線の感じとほとんど変わらない感覚でした。
シドニー到着後
シドニー到着後の入国審査も、ワクチン接種回数など質問票に記入を求められましたが、そこまで複雑な質問もなく簡単に通過することができました。
RAT検査キットも数分で結果が出るので、空港で済ませてしまって晴れて自由の身に!想像していたような面倒なやりとりや待ち時間も一切なく旅行開始させることができて安心しました。
帰国時の準備・当日の流れ
では、次に帰国時の流れについて説明します。
帰国72時間前にPCR検査
まず、日本帰国72時間以内になったらPCR検査をして陰性証明書を取得する必要があります。陰性証明書はMySOSでアップロードすることになるので、早めに実施しておいた方が安心です。
PCR検査可能な施設は大都市であれば空港や街中にも多くあると思いますが、日本独自の指定フォーマットで証明書を発行してもらう必要があるので、検査所が対応してくれるか事前に調べておくようにしましょう。
シドニー国際空港の「Histopath」では、予約時に日本指定のフォーマットを希望するかというチェックもあり、安心して利用することができました。
値段もAUD$79と良心的で、結果も40分くらいですぐ分かるのでオーストラリアの場合はここ一択だと思います。
MySOSの登録
そして、日本到着時のファストトラックを利用するために、MySOSアプリをダウンロードしておく必要があります。
海外から日本に入国するには下記審査が必要ですが、到着予定時刻の16時間前までにMySOSアプリから提出することで、到着時にQRコードを見せるだけで通過できるようになります。(ファストトラック公式HPより)
- 質問票の記入
- 誓約書の記入
- ワクチン接種証明書の有効性の確認
- 出国前72時間以内の検査証明書の有効性の確認
- 健康居所確認アプリ(MySOS)のインストールとログイン
ただ、ワクチン接種証明書はワクチン証明書アプリからダウンロードしたQRコードだけだと承認されず、全体のスクリーンショットを取って送ったらすぐに承認されました。紙であれば写真を撮って送ればいいですが、アプリを使ってる方は注意してください。
無事承認されて、緑色の画面になれば事前登録完了です。
日本到着後の流れ
帰りの飛行機に乗り込むまでの流れは出発時となんら変わりないのですが、やはり日本到着時は結構大変です。
僕が実際に検査や書類確認をしたときの時間の流れは以下のような感じで、着陸してから解放されるまでに2時間以上かかりました。
- 着陸:5:05
- 降機:5:40
- ファストトラック通過:5:50
- 抗原検査検体回収:6:00
- MySOSアプリ設定確認:6:05
- 連絡先等最終確認:6:10
- 検査結果通知:7:10
- 入国審査・荷物受取:7:20
順番に各チェックポイントを進んでいくので、混んでいる時間帯とかだともっと時間がかかるかもしれません。
僕はこの日が月曜で帰宅後すぐ仕事開始という我ながらかなりのハードスケジュールではあったのですが、なんとか出発から帰国まで全て計画通りにトラブルなく海外旅行を終えることができました!
2022年の海外旅行の注意点・今までとの違い
検査や入国手続きの準備が必要な場合がある。乗り継ぎ便や複数国の移動が大変になることも。
僕のように直行便で1ヵ国だけであればそこまで大変ではないのですが、やはり入国手続きで何が必要が事前に調べて用意する必要があります。
出発何日前までに提出といった期限もあるので、空港に行って書類不備で搭乗できないとなる方も稀にいるみたいです。
また、入国審査でも直近の滞在国歴や別の国に経由するか聞かれるので、訪れる国の分だけ調べておくことも増えてしまいます。もう少し各国の入国規制が解除されるまでは、直行便やなるべく少ない国に絞った方が無難かもしれません。
コロナの影響で通常のサービスが受けられない場合がある
今回の旅でコロナの影響で旅行を楽しめなかったとかいう場面はほぼなかったのですが、やはり海外からの観光客が最近までいなかったということで、空港のサービスなどがやっていないことがありました。
例えば国際線ターミナルの荷物預かり所を利用しようと思ったら閉業中だったり、AMEXラウンジが閉まっていて代わりの小さなラウンジに案内されるといったことがありました。
モバイルオーダーのレストランが普及していて便利に
一方で以前より便利になったということも。国にもよると思いますが、オーストラリアのレストランでは感染対策として、QRコードを読み取ってモバイルオーダーできる店舗がたくさんありました。
オペラハウス目の前のバーもテラス席に座って注文ができたので、英語での注文が面倒だなと感じてしまう僕のような人にとってはむしろ便利になってよかったなと感じました。
支払いもスマホで決済できてチップを払うのも自由ですし、特にオーストラリアは現金一切下ろさずにカードとモバイル決済だけで全て旅行中過ごすことができました。
オーストラリアに限っていえばレストランやホテルなどでワクチンパスポートを提示するといったルールもないので、観光する上で不便に感じることは特にありませんでした。
まとめ
今回は、実際に2022年3月にオーストラリア旅行に行ってきた実体験をもとに、水際対策が緩和された現在の海外旅行に必要な準備と手続きについて紹介しました。
日本にいると海外旅行なんてまだしばらく行けないかなと感じてしまいますが、実際調べてみると準備と感染対策をしっかりすれば普通の会社員でも弾丸海外旅行に行くことができました!
現地の雰囲気についても、電車や空港ではマスク着用義務があっても街中は昔と変わらず自由な感じですし、普通にこの時期でも旅行を満喫できるようになっていました。
今回経験した出入国の準備や流れについて、これからGWや夏休みに海外旅行を予定している方の参考になれば幸いです。
こちらの記事は2022年4月時点の情報です。各国の渡航制限や水際対策は数ヶ月で変更される可能性が高いため、最新情報を確認するようにしてください。