<カタール航空公式HPより画像引用>
カタール航空が中東GCC諸国の航空会社と提携し、カタールW杯期間中に周辺国からドーハへの日帰り観戦を可能とする”マッチデー・シャトル(Matchday shuttle)”の運航を発表しました。
まずはフライドバイ、オマーン・エア、サウディア(サウジアラビア航空)、クウェート航空と協力して、毎日何十便ものフライトを追加してサポーターを運航する計画となっています。協力航空会社は今後追加される可能性もあるようです。
5月31日から実際に予約可能になったので調べてみたところ、日本から現地観戦する場合は注意点がいくつかありますが、場合によってはうまく活用できるケースもあるかもしれません!
そこで今回は、マッチデー・シャトルの詳細と予約する際の注意点について解説するとともに、マッチデー・シャトルの利用が向いているケースと向かないケースとについて紹介します。
カタールW杯日帰り観戦を可能にする「マッチデー・シャトル」とは
今回カタール航空から発表された「マッチデー・シャトル」とは、GCC諸国と呼ばれる中東の国々(UAE、オマーン、サウジアラビア、クウェート)を本拠地とする航空会社と提携し、W杯期間中に各都市からドーハ往復フライトを増便することでワールドカップ日帰り観戦を可能にするというもの。
航空会社予約ページ
- カタール航空(オマーン往復便、ドバイ往復便)
→https://www.qatarairways.com/en/match-day-shuttle.html - フライドバイ(ドバイ往復便)
→https://www.flydubai.com/en/plan/match-day-shuttle-flights-to-doha
このサービスにより、宿不足が大きな課題となっているドーハ市内のホテルを確保する必要なく、朝のフライトで試合前に到着し、試合が終わったらその日のうちに飛行機で戻るということが可能になります。
まだ一般ホテルの予約自体は全て開放されていないので心配しなくても大丈夫だと思いますが、ドバイなどを拠点としてマッチデーシャトルを利用する方法も選択肢の一つになりそうです。
マッチデー・シャトルの運航本数
5月に発表されたマッチデー・シャトルを運航する航空会社とフライト本数は以下の通り。
- フライドバイ:毎日60便/30往復(ドバイ⇆ドーハ)
- クウェート航空:毎日20便/10往復(クウェートシティ⇆ドーハ)
- オマーンエア:毎日48便/24往復(マスカット⇆ドーハ)
- サウディア:毎日40便/20往復(リヤド、ジェッダ⇆ドーハ)
- エア・アラビア:毎日14便/7往復(シャールジャ⇆ドーハ)※6/24追加発表
フライト数や航空会社は今後追加する可能性もあるようで、実際に6/24にはUAEのシャルージャ国際空港を拠点とするエア・アラビアも運航決定を発表しました。報道だと他にはアブダビのエティハド航空も参加するという話も出ています。
日本-アブダビ直行便のあるエティハド航空も追加されれば注目ですし、エア・アラビアのシャルージャ国際空港もドバイ市内から近いのでエミレーツ航空と組み合わせれば利用価値も高そうです。
マッチデー・シャトルの料金
マッチデーシャトルの航空券代は、エコノミークラス往復で一律258ドルに設定されています。片道発券はできません。
- エコノミークラス往復:258ドル
- ビジネスクラス往復:998ドル
1度の往復であればお得だとは思いますが、現地観戦のために何度も往復しようとすると結構の額になってしまいますね…。
ちなみに料金には空港からスタジアムおよびファンゾーンへの送迎も含まれているそうです。Hayya Cardがあれば公共交通機関は元々無料なので、専用バスとかを用意してくれるのかもしれません。
送迎についての詳細は不明ですが、それもあってかキックオフ時間の4時間前までに到着する便を予約するように推奨されています。
マッチデー・シャトルの予約条件と注意点
しかし、マッチデー・シャトルを利用する場合はいくつかの障壁を越える必要があります。
利用できるのはW杯観戦者限定
当然といえば当然ですがマッチデー・シャトルを予約できる対象者は、下記条件を満たすワールドカップ観戦者のみになります。
- 試合のチケットを保有していること
- Hayya Cardを申請済みであること
現地在住者のみという情報もありましたが、航空会社のHPには記載はなく予約時にも説明はなかったので外国人でも利用できるはず。
また、Hayya Cardは今のところホテル予約を完了させないと承認されないシステムになってますが、日帰り観戦の場合はHayyaポータルの下記リンク先から別途申請することで対応してもらえるようです。
キャンセルは返金不可。変更手数料は50ドル。
マッチデーシャトルのキャンセルは返金不可となっているので注意してください。
日時の変更であれば手数料50ドルを払えば可能です。
24時間以内の滞在が前提。ただフライドバイなら別日の往復便でも利用可能!?
マッチデー・シャトルはドーハ市内に宿泊せず24時間以内の滞在が前提となっています。
しかしマッチデーシャトルの予約が開始されたという情報をもらってHPを調べたところ、カタール航空のHPでは同一日の予約しかできなかったのですが、フライドバイの方では行きと帰りで別日を指定しても予約画面に進むことができたのです。
とはいえ、ドーハでの滞在時間は24時間以内に制限されるという記載もあったので、同日の帰りの便を予約しているかとかチェックされるかもしれないという心配はあります。今後システム的に制御される気がしていますが、もし別日で予約できたという場合も事前に問い合わせた方がよいかもしれません。
フライドバイの発着空港はアール・マクトゥーム国際空港(DWC)
今回発表された4つ都市の中で最も使いやすいのはドバイだと思いますが、今回フライドバイが運航するのはドバイ国際空港(DXB)ではなくアール・マクトゥーム国際空港(DWC)になります。
日本からエミレーツ航空で到着する空港はドバイ国際空港のため、乗り継ぎの場合は空港間の移動が必須になります。
ただこれについては、今年の5月からドバイ国際空港とアール・マクトゥーム国際空港間は無料シャトルバスが30分おきに24時間運航しているそうです。距離的に45分くらいは掛かりそうですが、これを利用すれば空港間の移動は特に問題なさそうです。(※追記:無料シャトルバスについては現地報道をもとに記載しておりましたが、ドバイ国際空港北滑走路閉鎖中の5/9〜6/22の期間限定のサービスだったかもしれません。Uberなどの別の交通手段を利用することも考えておいた方がよさそうです。)
意外と落とし穴?預け荷物が追加不可!
ここまではまだ妥協できるかなーと思っていたのですが、最後に落とし穴が待っています。それは預け荷物の制限です。
マッチデー・シャトルには預け荷物代が料金に含まれておらず、しかも追加オプションで預け荷物を選ぶことすらできません!これはカタール航空HPのオマーン・エアもフライドバイどちらも同様でした。
唯一許されている荷物は75cm×55cm×35cmサイズで重量7kg以下の手荷物のみ。これは日帰り観戦を前提としていることももちろんですが、1日に何十便も往復させるために離着陸時の荷物の出し入れする時間を短縮させることが目的かと考えられます。
機内持ち込みの手荷物だけはちょっとキツいですね…。僕の場合は1週間ほどドーハ市内に滞在してスーツケースで行く予定だったので、これらの理由によりマッチデー・シャトルの利用は断念することにしました。
マッチデー・シャトルの利用に向いているのはどんなケース?
ここまでの話だと「マッチデー・シャトルってあまり使い道ないのでは?」と思われるかもしれませんが、以下に当てはまる方はまだ検討の余地があると思っています。
- ドバイなど周辺国に滞在している方
- ドバイまではマイルの特典航空券などで別で確保できている方。
- ドーハよりもドバイやマスカットの観光に興味のある方
- 決勝戦や日本戦など1日しか現地観戦する予定のない方
一番該当する方が多そうなのは、1日しか試合観戦する予定のない方でしょう。
おそらく何日間か観戦する人が大多数だと思いますが、決勝戦や日本戦がチケット取れたから十分という場合や、休みの都合的に1日しかいられない方もいるかもしれません。実際に僕のブログに問い合わせてくれた方の中にも、日本から弾丸で日帰り観戦する予定という方もいらっしゃいました。
そういった弾丸旅行の場合、カタールW杯ではホテル予約の最低宿泊日数がネックになってきます。
ホテル予約についてまとめた下記記事の「最低宿泊ポリシーについて」の部分で説明している通り、ドーハ市内の宿泊施設はどのラウンドであっても最低2連泊以上の予約が必要となっています。決勝戦にいたっては最低3泊、アパートメント以外だと最低4泊の予約が必要です。
流石に決勝1試合のためだけにドーハに4日も滞在するなんてもったいなくないですか??ドーハって「世界一退屈な街」と称されるほど観光資源が少ないので、W杯関連のイベントがなければ時間とお金の無駄になってしまいます。
そんな場合は、ドバイに滞在して試合の日だけマッチデー・シャトルを利用する、というのが主な使い道になりそうです。
まとめ
今回はワールドカップ期間中にドーハと周辺国を繋ぐマッチデー・シャトルについて紹介しました。
24時間以内のドーハ滞在や、預け荷物の追加不可などの制限により僕は利用を断念しましたが、旅程的に日帰り観戦の方が都合が良いという方にとっては有効なサービスだと思います。今後もマッチデーシャトルだけでなく、一般の観戦旅行者向けのフライト本数の充実や料金の値下げに繋がってくれればと期待しています。
最後にもう一度、マッチデー・シャトルを利用する場合の向き不向きについてまとめておきましょう。
- 向いている方
- 決勝戦や日本戦など1日しか試合観戦せず、最低宿泊ポリシーを満たすのが難しい方
- ドバイなど周辺国を旅行のメインにしたい方
- 向いていない方
- ドーハに数日間滞在する予定の方
- ドーハに宿泊して現地の雰囲気を味わいたい方
ホテル予約の最低宿泊ポリシーを満たすことが難しい場合や、ドバイ観光などのついでにW杯観戦をしたいという方は、ぜひマッチデー・シャトルの利用を選択肢に入れて検討してみてください!
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