現在、アジアに止まらず欧州各国でも感染拡大を続けている新型コロナウイルス 。上の写真は3月7日の羽田国際線ターミナルです。利用客は非常に少なくなっていますが、想像していたよりは意外と旅行者の方達もいました。
もしかすると今後ヨーロッパ旅行に行かれる方や、すでに現地滞在中の方もいらっしゃると思います。楽しみにしていた旅行をキャンセル手続きした方もかなりの数いらっしゃるようです。
僕も2月中にヨーロッパを回って海外サッカー観戦してきました。しかし、予定していた3月のヨーロッパ旅行の計画変更などを余儀なくされている最中です。
そこで今回は、3月のヨーロッパ旅行のために調べた結果をまとめたいと思います。また、僕の今回の旅行の目的の一つであるUEFAチャンピオンズリーグや各国リーグの開催状況についても調査していきます。
(3月13日: 追記)現在、欧州主要リーグは全て一時中断状態となっています。本記事の内容は3月10日時点の状況です。
2020年2月にヨーロッパ旅行に行った際の現地の状況について
まずは、2月末まで海外サッカー観戦を中心に約2週間ヨーロッパを周ってきた現地の状況についてお伝えします。
出発した2月14日時点では搭乗したロンドン行きのJAL便やその他のパリ行きなどもほぼ満席で、新型コロナウイルスの不安や影響はあまり感じませんでした。
前半に訪れたロンドンやマドリードは街の雰囲気や様子はいつもと一切変わりなく、流石に中国人は全くと言っていいほど見ませんでしたが、多くの日本人・韓国人観光客の方は見掛けました。
しかし旅行の最中、ミラノでCL観戦した後にローマ観光している時期にイタリア北部で起きたアウトブレイクが発覚します。数日経つとイタリア人でもマスクを掛けた人をチラホラ見るようになりましたが、ローマ・ナポリには感染が広まっていなかったからか観光に支障は全くありませんでした。僕らも1日だけでしたがミラノにいた日とギリギリ重なるので不安を感じながら旅行を継続し、2週間経った現在も体調面には問題なく過ごせています。
その後、ミュンヘンを経由してチューリッヒにも予定通り訪れたのですが、特に感染の影響は感じずに旅を続けることができましたし、日本人などのアジア人観光客も数多くいらっしゃいました。
また、アジア人に対する差別行為について心配に感じている方も多いと思いますが、僕の旅行中には一切そのような行為は受けませんでした。
メディアでも報じられているように実際に確認されている事件もあるため用心するに越したことはないですが、旅行中はあまり気にし過ぎる必要はないと思います。
渡欧される場合に確認すべき点。入国制限について
もしこれから渡欧される場合は、現地の感染者数ばかりではなく入国制限などについてしっかり把握しておきましょう。
外務省HPで発表されている「日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限」については、以下リンクから確認することができます。
3月8日時点でイギリス・イタリア・ドイツ・スペイン・フランスなど欧州主要都市で日本人を入国制限している国はありません。しかし、発熱や咳などの症状がある場合に隔離措置を取っている国もあります。
例えば、イギリス政府公式HPによると日本を含む感染の影響が大きい14か国からの入国者で、発熱や咳などの症状がある場合は14日間の隔離措置が取る必要があります。
また、ドイツでは日本など感染が拡大している国から入国する場合、所在追跡票という用紙を記入して提出することが求められています。
イタリア北部やアジアなどを経由する場合は、渡航予定先の入国制限に掛かる可能性もあるので注意が必要です。
これらの情報や各国の新型コロナウイルス感染状況は、外務省が提供している「たびレジ」に登録しておけば随時受け取ることができるので、渡航される場合は必ず登録しておくようにしてください。
海外サッカー観戦への影響。無観客試合・延期等について
そして、僕のように海外サッカーをメインに旅行を計画されていた方にとって非常に気になるのが、試合が開催されるかどうかについて。
基本的には各国リーグやUEFAも各政府の感染予防措置に応じて開催可否を判断しています。現時点では影響のない試合についても、感染拡大の影響を受けて今後の対応を議論している最中です。これから無観客・延期が決定する可能性も十分あるため、最新の情報をチェックしてください。
また、すでにチケットを購入された方で旅行をキャンセルした場合は必ず各クラブへ返金可能かどうかメールで問い合わせるようにしてください。試合が開催された場合でも返金対応してくれるクラブもあるので、早めに連絡することをおすすめします。
イギリス
3月11日(水)開催予定であったマンチェスター・シティ対アーセナルの試合が延期に。
ただし、英国国内の感染拡大による影響ではなく、13日前にエミレーツで観戦したオリンピアコスのオーナーが新型コロナウイルスに感染していたための予防措置であり、これにより政府ガイドラインに則り14日以上自己隔離する必要があったことが延期理由とされています。
それ以外の国内の試合については試合前の握手が禁止になった程度で、現時点では無観客試合・延期などの影響はなし。
スペイン
3月10日に今後2週間の国内スポーツイベントが禁止と政府から通告されたため、3月中のラ・リーガと「バルセロナ対ナポリ」を含むCL、EL全試合が無観客で開催されることが決定しています。
イタリア
4月3日までセリエAなど国内における全スポーツ競技に対して無観客試合となることが決定していましたが、政府からの要請により開催自体を中止し一時中断状態となっています。
イタリアの状況は報道の通り現在かなり深刻であり、シーズンを無事終えられるかも心配です。今季はインテルやラツィオがスクデット争いを盛り上げくれていただけに、仕方ないとはいえ非常に残念ですね…。
CL「ユベントス対リヨン」やELも無観客試合の対象となりますが、中立地開催や延期の可能性もまだあるようです。リヨン公式サイトでも打開策を模索しているとの発表がなされています。
ドイツ
レヴィア・ダービーやバイエルンのホームゲームなどブンデスリーガでも無観客試合が決定。CL「バイエルン対チェルシー」、ELでは「ヴォルフスブルク対シャフタール」も無観客試合が確定しています。
今のところ、ベルリンなど感染者が少ない一部地域では通常開催の予定となっています。
フランス
3月7日リーグ・アン「ストラスブール対PSG」の試合がコロナウイルスの影響で延期。
その他のリーグ戦やCLについて現時点では影響なし。ただし、結論が先延ばしされている状況であり、無観客試合などになる可能性も残されています。
CL「PSG対ドルトムント」の無観客試合が決定。さらに4月15日までリーグ・アン全試合を無観客で行うことが発表されています。
その他
欧州5大リーグ以外ではスイスリーグが3月23日まで延期となっています。
また、他のスポーツでもラグビー・シックス・ネーションズやパリ・マラソンなどが延期となっています。
最後に:3月のヨーロッパ旅行について
最後に僕の現在の状況ですが、8日にマンチェスターに現地入りして今この記事を書いています。
ドイツでの乗り継ぎだったため、フランクフルト到着前に機内で所在追跡票も記入しました。心配していたイギリスへの入国に関しては、昨年から導入された自動化ゲートでマンチェスター空港を通過することができ、特に質問や体温検査もなく入国することができました。
とはいえ、さすがに今回の旅行は諦めようかと渡欧直前まで毎日死ぬほど悩んだのですが、学生最後のこの時間は二度と帰ってこないし、何ヵ月もかけて計画してきたビジネスクラス旅行やマンチェスターダービー観戦は達成できそうだったため決行することにしました。3月もライプツィヒ、パリ、バルセロナでCL観戦する予定でしたが、欧州各国の感染拡大が悪化していることや飛行機の減便もありイギリス国内でのサッカー観戦に留める予定です。
それでも数日後さえ先行が見えない現状は変わりません。日本へ帰国できなくなるリスクも考えられますし、来週の試合が無観客試合になる可能性も十分あります。
この状況で旅行に来たからには浮かれて油断することなく、アルコール除菌や手洗い・うがいなどできることは全てやって無事に帰って来られるようにしたいと思います。
まとめ
今回は欧州におけるコロナウイルス感染拡大の影響についてまとめました。
欧州サッカーにおいて無観客・延期などが確定している試合は以下の通り。(3月8日時点)
- イタリア:4月3日までセリエA全試合中断。CL、ELについては無観客あるいは延期
- フランス:4月15日までリーグ・アンは無観客試合。CL「PSG対ドルトムント」も無観客試合
- ドイツ:ブンデスリーガではレヴィア・ダービーなどを中心に無観客試合が決定。CL「バイエルン対チェルシー」も無観客試合。ベルリンなど一部地域では通常開催の予定。
- スペイン:ラ・リーガ、CL、EL含む3月中の全国内試合が無観客試合
- イングランド:3月11日開催「シティ対アーセナル」のみ延期。その他の試合は影響なし。
影響を受けていないのはイングランドくらいですが、ヨーロッパ内でも毎日感染者は増加し続けており、明日の試合でさえ無事開催されるか分からないような状況です。
一方で、実際にヨーロッパに行ってみると意外と街自体は普通で、現地の人々も観光客に対して普通に接してくれます。サッカーの試合はこれからどうなるか分からないという不安はありますが、観光において不都合を感じる場面はまだ少ないです。
日本国内の状況が自粛ムードなのでこれから渡欧を決断することは容易くないですが、外務省などからの公式情報を調べてご自身で判断するようにしましょう。