今や海外旅行では欠かせないアイテムとなった「SIMカード」
もちろんカタールW杯現地観戦旅行でもネット環境は必須です。以前Twitterでもお伝えしましたが、カタール現地の通信企業「Ooredoo(オーレドー)」が旅行者向けに無料の「Hayya SIM」を配布するとも発表されています。
その後、11月に入ると「Vodafone Qatar」もOoredooに対抗して無料の「Fan SIM」を提供することも発表されており、今大会はかなりサポートが充実しています。無料なので是非とも両方のSIMを手に入れておきたいところです。
そこで今回は、「Hayya SIM」と「Fan SIM」の入手方法・データ容量といった詳細と、日本でもネットで手配可能なカタールで使える国際SIMカードなどその他の選択肢についても紹介したいと思います!
2022/11/12:追記
VodafoneのFan SIMを先に申し込んでいると、OoredooのHayya SIMがもらえない可能性があるためご注意ください。
ただサイト上には片方のSIMしかもらえないとは明記されておらず、逆の順なら両方もらえた方もいるので、現地で確認した方がよさそうです。
はじめに:海外旅行でインターネットを使うには?
海外旅行に慣れている方は大丈夫だと思いますが、W杯現地観戦がほぼ初めての海外旅行だったり、コロナで久しぶりに海外に行くとなるとネット環境をどう準備しようか迷ってる方もいらっしゃると思います。
海外でネットを使うとなると、一昔前はWiFiルーターをレンタルしていくイメージかと思いますが、今はもっと手軽で格安な方法でインターネットが使えます。(それでも成田空港のWiFiレンタルブースは今でもかなり行列できていますが…。)
おそらく以下のような方法が一般的でしょうか。
- 現地の物理SIMカード・eSIM
- ahamoなどのキャリアの国際ローミング
- WiFiルーターをレンタルする
3つ目のWiFiルーターは割高であまりおすすめできないので今回の記事では特に紹介しません。複数人で共有するにしても最近のSIMやahamoならデザリングもできるのでWiFiルーターにするメリットはほぼないかと思います。
今回は1の現地で使えるSIMカードを中心に紹介していこうと思います!
カタールW杯現地観戦旅行でインターネットを使う方法
やはり最もおすすめな方法は現地SIMカードを使う方法です。これなら特に今のスマホの契約キャリアに関係なく使えます。
最近はスマホ内蔵型のeSIMもあるのでダウンロードするだけで使えることができ、Ooredooが提供するHayya SIMと、VodafoneのFan SIMも物理SIMだけでなくeSIM版が用意されています。
今のiPhoneならeSIM使えるので問題ないと思うのですが、僕のGalaxyは残念ながら日本国内販売端末はeSIM非対応となっているので物理SIMを使う予定です。皆さんもご自身の端末に合わせてご利用ください。
ただし、SIMを入れ替えるには前提として使用するスマホがSIMロック解除された端末である必要があるので、事前にキャリアのHPなどでSIMロック解除済みか確認するようにしましょう。
また、SIMロック解除したとしても契約解除しない限りは今のキャリアのSIMカードは引き続き利用できるので安心してください。
W杯観戦旅行者むけに無料配布される「Hayya SIM」について
まず、現地カタールのSIMカードについては冒頭でもお伝えした通り、2022年11月1日からW杯期間中限定で旅行者向けに無料の「Hayya SIM」を利用することができます。特別な理由がなければこの「Hayya SIM」さえあればOKです!
Hayya SIMの無料で使える容量・特徴は以下の通り。
- 2.2GBのデータ通信
- 2022分間の現地通話
- 2022通のSMS
- 有効期間は3日間
- Ooredooアプリまたは公式サイトで追加チャージ可能
- 物理SIMとeSIM両方あり
無料でこれだけの通信が使えるのはめちゃくちゃありがたいですね!
ただし有効期間は3日間だけなので、滞在期間が4日以上の方は追加チャージするかahamoなど別の手段と併用することになります。
Hayya SIMの入手方法
Ooredooの公式発表によると、空港には専用の自販機が設置されたりと以下のような様々な場所で手に入れることができるそうです。
受取には本人確認とHayya Cardの認証が必要で、Hayya SIMはHayya Card毎に1枚のみ配布されます。
- 空港や港に設置された自動販売機
- タクシー内
- 地下鉄駅
- ホテルやFIFA公式の宿泊施設
- ファンゾーン
- Ooredooの実店舗やオンラインショップ
また、物理SIMだけでなくeSIMも用意されているとのことで、オンラインショップ「Ooredoo eshop」でも入手することができます。
Hayya SIMはオンラインショップでも申し込み可能
11月1日からHayya SIM専用申し込みページも公開されており、Hayya Card番号を入力して顔写真を撮影することで手続きできるようです。
eSIMの場合は上記ページから申し込みをすれば、あとはカタール到着後に有効化するだけでネットを使えるようになるようです。
一応物理SIMの場合も配送申し込みできるのですが、残念ながら受け取りはカタール国内のみとなっているので、ネットで申し込まなくても現地で調達した方が手間は少ないんじゃないかと思います。
現地のHayya SIM自動販売機の使い方
空港などに設置されるHayya SIM自動販売機の使い方については、カタールの情報を発信するWebサイト「I Love Qatar.net」の創始者兼CEOであるハリーファ・アル・ハルーン氏の説明動画が非常に分かりやすかったのでこちらをご参考ください。
オプションなどを選択したらHayya Cardをスキャンして機械のカメラで本人確認するだけで、物理SIMをその場で発行してくれるようです。
SIMを入れ替えた後はAPNの設定などあると思うので、自分で設定するのが不安な方は近くにスタッフがいるブースがあるようなのでそちらを利用すると良いでしょう。
Ooredooの追加データ容量料金
もし有効期間の3日間を過ぎたり、データ容量がなくなった場合はOoredooアプリから追加チャージすることができます。
アプリはこちら。
気になる追加チャージの料金ですが、Ooredoo公式サイトを調べたところ大体以下のような料金でチャージできるそうです。(QR1≒40円:2022/10/15時点)
- 300MB/同日24時まで:QR5(約200円)
- 750MB/3日間:QR10(約400円)
- 1.6GB/7日間:QR20(約800円)
- 2.0GB/14日間:QR30(約1200円)
- 4.5GB/28日間:QR60(約2400円)
- 6.0GB/28日間:QR80(約3200円)
- 9.0GB/28日間:QR100(約4000円)
- 16.0GB/28日間:QR150(約6000円)
Hayya SIMも同じ価格設定になるかは不明ですが、上記を参考にすると1週間程度なら数百円の追加チャージだけで足りそうです。他にも無制限プランや通話付きなどもありそうなので詳しくは公式サイトをご覧ください。
Vodafoneが提供する無料「Fan SIM」について
Ooredooに追随する形で発表されたVodafoneの「Fan SIM」も、Hayya SIMと同様に無料で一定期間使うことができます。内容は以下の通り。
- 2日間有効な容量無制限データ通信
- 3000分間の現地通話
- 3000通のSMS
- アプリまたは公式サイトで追加チャージ可能
- 物理SIMとeSIM両方あり
Hayya SIMが3日間使えるのに比べて1日少ないですが、容量は気にせず使えるようです。
Fan SIMの入手方法
Fan SIMは専用のスマホアプリから申し込むシステムになっています。Hayya SIMのように現地のショップで配布もしているそうです。(公式サイトのFan SIM詳細ページはこちら)
アプリは以下のリンクからダウンロードできます。
アプリを起動すると上画像のような画面が表示されるので、「Swipe to explore Fan experience」のサッカーボールを右にスワイプするとFan SIMの手続に進みます。
あとは、
- Hayya Cardの撮影(またはHayya Noの入力)
- 顔写真の撮影
- 「Get an eSIM(eSIMを申し込む)」または「Get a SIM(物理SIMを申し込む)」を選ぶ
僕の場合は物理SIMを選んだところ、受け取り先を指定する画面になったのでハマド国際空港を選択しました。
その後、おそらくHayya Cardの情報から申し込み情報を受け取るメールアドレスと電話番号が自動で出てきたので確定ボタンを押すと申し込み完了画面になりました。
あとは現地でSIMをアクティベートすれば使えるようになるようです。
Vodafone Qatarの追加データ容量料金
Vodafoneも有効期間の2日間を過ぎた場合はアプリから追加チャージすることができます。
Fan SIMに追加チャージする場合は同じ料金ではない可能性もありますが、Vodafoneカタール公式HPによるとプリペイドチャージの料金は以下のようでした。(QR1≒40円:2022/10/15時点)
- 750MB/3日間:QR10(約400円)
- 1.5GB/7日間:QR20(約800円)
- 2.0GB/14日間:QR30(約1200円)
- 3.8GB/28日間:QR50(約2000円)
- 4.5GB/28日間:QR60(約2400円)
- 6.0GB/28日間:QR80(約3200円)
- 9.0GB/28日間:QR100(約4000円)
- 16.0GB/28日間:QR150(約6000円)
大体Ooredooと同じくらいの料金設定のようなので、あまり違いはなさそうです。
日本で購入可能な国際SIMカードなら「AIS Fly2SIM」がおすすめ
次に日本国内で購入可能な国際SIMカードについて。
Hayya SIMやFan SIMさえ入手すればSIMカードについては心配要らないと思いますが、人によっては「現地で初めてSIMカードを入れ替えてちゃんと使えるか不安。。」という方もいらっしゃるかと思います。
そんな方におすすめなのが、日本でネット購入可能でカタールでも使える国際SIMカード「AIS Fly2SIM」です。
[itemlink post_id=”3222″]僕も前回のヨーロッパ旅行ではSIM2Flyのグローバル版を持って行きましたが、ドバイでもギリシャ、トルコどこでもほとんどの場所で4Gが使えてめちゃくちゃ便利でした。カタールは上で紹介したアジア周遊版SIMにも対象国に含まれてます。
しかも日本でもソフトバンクのネットワーク回線に繋がるので、出発前に日本で設定して有効化することができます。
ただし有効化すると使用期間がスタートしてしまうので、出発直前に設定するように気をつけましょう。
ahamoの国際ローミングを利用する
最後に、現地のSIMを使わなくても良い方法だと、追加料金不要で国際ローミング可能な「ahamo」が便利です。
すでにahamoユーザーの方は特にSIMを入れ替える必要なく海外でネットを使うことができます。頻繁に海外に行かれる方であればこの機会にahamoに乗り換えるのもアリかもしれません。
ahamoの申し込み方法については、下記リンク先のahamo公式サイトをご確認ください。
注意点としては海外での使用開始から15日以上経過すると通信速度制限(送受信最大128kbps)が掛かるので、長期間滞在される場合はHayya SIMも併用すると良いでしょう。
povoやau、docomoなどのキャリアだと国際ローミング利用するには追加料金がかかるのであまりおすすめできません。また、楽天モバイルも海外で利用可能ですが、カタールは対象国に入っていないのでご注意ください。
おまけ:カタールではLINE電話が使えない?
カタールでは政府が一部の通信制限をかけており、LINEやSkype、Whatappといったインターネットを利用した通話ができないそうです。(メッセージのやりとりなどは可能)
一応ahamoなどの国際ローミングでは制限がかからず利用できるようですが、Hayya SIMなどの現地SIMだとLINE電話ができないと考えた方がよいです。
対処方法としてはVPNを介することで利用できるようになります。今は無料のVPNアプリもたくさんあるので調べてみてください。
動画視聴のジオブロックを回避するためにVPNのサーバーを日本にしたい場合は有料VPNやVPN Gateというサイトを使う手間がありますが、単にカタール以外の国に接続するだけであれば無料VPNアプリで十分です。
読者の方から質問があったので一応よく使われている無料VPNアプリを紹介しておきます。インストールして起動したらあとは接続ボタン押すだけで、あとは普通にLINE電話やインターネットをVPN経由で使えるようになります!
前回のロシアの時はSNS全般使えなかったのでそれと比べればそこまで影響少ないと思いますが、LINE電話を使う場合は注意しましょう。
まとめ
今回はOordooが無償提供する「Hayya SIM」とVodafoneの「Fan SIM」の詳細を中心に、カタールでネットを利用する方法について紹介しました。無料でSIMカードを配るなんてさすがカタール、本当に太っ腹ですね!
eSIMが使える端末の方はOoredooのオンラインショップから手続きをしておき、物理SIMを使う場合は到着してから手配すると良いでしょう。
初めて海外でSIMカードを使うという方は事前にお持ちの端末がSIMロック解除されてるか忘れずに確認して、ぜひHayya SIMやFan SIMを利用してみてください!