新コンペティション「UEFAネーションズリーグ」とは?大会の概要を徹底解説!

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【写真=国際親善試合フランス対スペイン観戦時 @スタッド・ドゥ・フランス(2017/03/28)】

2018年9月にヨーロッパのナショナルチームが参加する新たなコンペティション、「UEFAネーションズリーグ 2019」が開幕します!

自分もどのような大会なのか気になっていたので調べてみたところ、初めて知ったことがたくさんあったので、今回この大会の概要をまとめてみることにしました。

 

ワールドカップでのヨーロッパ勢の躍進もあり、強豪国同士が激突する今大会の注目度も増していると思うので、是非チェックしてみてください!

UEFAネーションズリーグとは

コンペティションについて

UEFAネーションズリーグとは、EURO(欧州選手権)とワールドカップが行われない年に2年周期で行われる、ヨーロッパのナショナルチームの大会です。具体的な期間としては、西暦偶数年9月〜西暦奇数年6月にかけての国際Aマッチデーを利用して行われます。

コンペティションの基本事項は以下のようになっています。

  • UEFA加盟国55ヵ国を4つのリーグ(上位からA・B・C・D)にランク分けし、各リーグ内で4つのグループ(3チーム、あるいは4チームずつ)に分ける。
  • 各グループの組み合わせは、UEFAナショナルチームランキングをもとに決定される。
  • UEFAナショナルチームランキングとは、FIFAランキングとは異なり、EUROやワールドカップの本大会・予選の結果をもとに決められたランキングである。
  • UEFAネーションズリーグ2019のグループリーグは、2018年9月〜11月の6回の国際Aマッチデーに開催される。各グループ内でホーム&アウェイ方式で総当たり戦を行う。3チームのグループの場合、期間中の6回のAマッチデーのうち、4試合をグループリーグの試合に当てることになる。
  • B・C・Dリーグの各グループ1位の4チームずつが上位リーグに昇格し、A・B・Cリーグの各グループ最下位の4チームずつが下位リーグに降格する。ただし、リーグCは4チームのグループが3つ、3チームのグループ1つで構成されているため、4位の3チームと、最も成績の悪い3位のチームが降格する。
  • Aリーグの各グループ1位の4チームが、2019年6月に行われるファイナルラウンドに進出する。
  • ファイナルラウンドでは、準決勝2試合と3位決定戦、決勝が行われ、優勝チームが決定する。

ここまでがコンペティションとしての基本的な流れです。

ちょっと説明が長くなってしまったので、分かりやすいように図にまとめてみました。

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UEFAネーションズリーグ(昇格・降格の流れ)

単純にそれぞれのグループで首位だった国が昇格し、最下位だった国が降格するという流れになっています。

しかし3チームか4チームのグループ内で総当たり戦をするので、1試合でも不覚を取ると降格のピンチになるというサバイバルマッチです。

UEFA EURO 2020の予選との関係について

一方で、UEFAネーションズリーグはEUROの予選にも関わってきます。EURO2020の予選は、2019年3月から、基本的には今までと同じような形式で10グループに分けて行われます。

前回大会では出場国が24ヵ国に増えたため、各グループの上位2位までが自動的に出場し、3位チームの中でプレーオフを行って残りの4枠を争っていました。

EURO 2020の予選では、この3位チームによるプレーオフを無くし、UEFAネーションズリーグのプレーオフ」として残りの4枠を決定するというわけです。

流れとしては、以下のようになります。

  • UEFAネーションズリーグのプレーオフは、EURO予選終了後の2020年3月に行われる。
  • すでにEURO予選によって本大会出場が決まったチームを除き、UEFAネーションズリーグの各リーグの上位4チームでそれぞれプレーオフを行う。つまり、リーグA・B・C・D各リーグで1チーム出場できることになり、最下位リーグに所属している国にもEURO本大会に出場できるチャンスがあるということになる。
  • プレーオフは、それぞれのリーグのUEFAランキングが1番高いチームと4番目のチーム、2番目と3番目のチームが準決勝を対戦する。準決勝はランキング上位のチームのホームで開催される。
  • 準決勝の勝者が対戦し、本大会出場国を決定する。プレーオフの決勝では、抽選によってホームチームを決める。

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UEFAネーションズリーグ(EURO予選プレーオフの流れの例)

文章だけだと分かりづらいと思うので、図を使ってプレーオフの流れの具体的な例を表してみました。黄色で塗りつぶしたチームがEURO出場国になります。

リーグDからもプレーオフを勝ち抜ければEURO本大会に出場できるということで、普段はEURO予選を勝ち抜けない弱小国にもチャンスがあるというわけです。

 

ここまでがプレーオフの基本的な流れです。ここからは少し複雑になりますが、もう少し細かいルールについて話していきます。

リーグ内でのプレーオフの出場国の決定方法

例えば上の図のように、リーグB内の4つのグループのうち、1位は4チーム中3チームが、2位は4チーム中2チーム、3位は4チーム中1チームがEURO予選で本大会出場権を獲得したとします。

この場合、EURO出場権を逃したグループ1位の1チームと、グループ2位の2チームはプレーオフへの出場が確定します。プレーオフに進出する残りの1チームは、EURO出場権を逃したグループ3位の3チームのうち、リーグ戦での成績上位1チームになります。

EURO本大会出場を逃したチームがリーグ内で4チーム以下の場合

当然のことながら、リーグAにはUEFAランキング上位国で構成されているため、ほとんどのチームがEURO予選で出場権を獲得することが予想されます。

例えば、リーグAの中でEURO予選で本大会出場権を逃したチームが、12チーム中3チームだけだったとします。この場合、リーグBの中でプレーオフに出場する4チーム以外の中から、UEFAネーションズリーグでの成績上位1チームをリーグAのプレーオフに繰り上げることになります。

つまり、リーグBで5番手のチームがプレーオフに進出する権利を得られますが、リーグAに所属するチームとのタフな試合を強いられることになります。

組み合わせ

グループの組み合わせは以下のようになっています。

割と順当ではあると思いますが、特にグループA4は過酷なグループですね。それと、EUROやワールドカップ出場を逃したオランダがリーグAで生き残っていることや、ロシアワールドカップにも出場したセルビアがリーグCに入っているのは意外でした。

League A

Group A1:ドイツ、フランス、オランダ
Group A2:ベルギー、スイス、アイスランド
Group A3:ポルトガル、イタリア、ポーランド
Group A4:スペイン、イングランド、クロアチア

League B

Group B1:スロバキア、ウクライナ、チェコ
Group B2:ロシア、スウェーデン、トルコ
Group B3:オーストリア、ボスニアヘルツェゴビナ、北アイルランド
Group B4:ウェールズ、アイルランド、デンマーク

League C

Group C1:スコットランド、アルバニア、イスラエル
Group C2:ハンガリー、ギリシャ、フィンランド、エストニア
Group C3:スロベニア、ノルウェー、ブルガリア、キプロス
Group C4:ルーマニア、セルビア、モンテネグロ、リトアニア

League D

Group D1:ジョージア、ラトビア、カザフスタン、アンドラ
Group D2:ベラルーシ、ルクセンブルク、モルドバ、サンマリノ
Group D3:アゼルバイジャン、フェロー諸島、マルタ、コソボ
Group D4:マケドニア、アルメニア、リヒテンシュタイン、ジブラルタル

日程(League A)

全ての日程を表記すると膨大な量になるので、注目のリーグAの日程を載せました。(左側に表記されている国がホームチーム)

リーグAの試合のキックオフ時間は、基本的に現地時間20:45です。サマータイムの影響を考慮すると、Matchday 1〜4:日本時間翌3:45、Matchday 5〜6:日本時間翌4:45にキックオフ予定です。
※「Matchday 6:イングランド vs クロアチア」のみ、日本時間23:00キックオフ。

Matchday 1

9月6日(木):【Group A1】ドイツ vs フランス
9月7日(金):【Group A3】イタリア vs ポーランド
9月8日(土):【Group A2】スイス vs アイスランド
9月8日(土):【Group A4】イングランド vs スペイン

Matchday 2

9月9日(日):【Group A1】フランス vs オランダ
9月10日(月):【Group A3】ポルトガル vs イタリア
9月11日(火):【Group A2】アイスランド vs ベルギー
9月11日(火):【Group A4】スペイン vs クロアチア

Matchday 3

10月11日(木):【Group A3】ポーランド vs ポルトガル
10月12日(金):【Group A2】ベルギー vs スイス
10月12日(金):【Group A4】クロアチア vs イングランド
10月13日(土):【Group A1】オランダ vs ドイツ

Matchday 4

10月14日(日):【Group A3】ポーランド vs イタリア
10月15日(月):【Group A2】アイスランド vs スイス
10月15日(月):【Group A4】スペイン vs イングランド
10月16日(火):【Group A1】フランス vs ドイツ

Matchday 5

11月15日(木):【Group A2】ベルギー vs アイスランド
11月15日(木):【Group A4】クロアチア vs スペイン
11月16日(金):【Group A1】オランダ vs フランス
11月17日(土):【Group A3】イタリア vs ポルトガル

Matchday 6

※11月18日(日):【Group A4】イングランド vs クロアチア
11月18日(日):【Group A2】スイス vs ベルギー
11月19日(月):【Group A1】ドイツ vs オランダ
11月20日(火):【Group A3】ポルトガル vs ポーランド

ファイナルラウンド

(追記)グループステージの全日程が終了し、ファイナルズ出場国の4ヶ国が全て揃いました!

  • オランダ
  • スイス
  • ポルトガル
  • イングランド

最近はEUROやW杯を逃して元気のなかったオランダが完全復活し、フランスやドイツを退けてファイナルズ進出を決定させています。

他のグループも波乱を勝ち抜いた国々が勝ち上がっている印象で、初代王者がどこになるのか非常に楽しみです!

 

6月に行われるファイナルズ(ファイナルラウンド)の日程は以下のようになっています。

日程

6月5日:準決勝 ポルトガルvsスイス
6月6日:準決勝 オランダvsイングランド
6月9日:3位決定戦 スイスvsイングランド/決勝 ポルトガルvsオランダ

 

2019/6/10:追記

ポルトガルがオランダを決勝で下し、UEFAネーションズリーグ初代王者に決定しました!

これでポルトガルはユーロに続いて欧州タイトル連覇達成ですね。

開催国

現時点でファイナルラウンドのホスト国は未定ですが、イタリアポーランドポルトガルが3カ国それぞれ立候補しています。 

ホスト国の条件は、リーグAのファイナルラウンドに進出する国であることと、3万人以上収容可能な2つのスタジアムを使用できることで、またUEFAとしては、理想的には同一都市で開催したいと考えているようです。

 

個人的には、ポルトガルのリスボンとかでやってくれたら嬉しいです!

 

(9月7日:追記)

8月31日の立候補締切が過ぎた時点で、ホスト国の候補はイタリア、ポーランド、ポルトガルの3カ国になっています。これらの国は同じグループA3に所属しており、ファイナリストの中からホスト国が決まることから、実質グループA3を勝ち抜いた国がファイナルの開催国となるようです。

(11月18日:追記)

ポルトガルがグループA3首位を確定させたため、ファイナルラウンドのホスト国はポルトガルで当確しました!12月3日に行われるUEFAの委員会で承認されれば決定となります。

会場はFCポルトの本拠地「エスタディオ・ド・ドラゴン」と、ヴィトーリアSCの本拠地「エスタディオ・D. アフォンソ・エンリケス」を使用する予定です。

賞金総額と配分

UEFAネーションズリーグ2019の賞金総額は、7625万ユーロ(約100億円)です。この金額が成績によって出場国55ヵ国に配分されます。

基本報酬

賞金の内訳として、まず全出場国に支払われるリーグ別の基本報酬は、以下のようになっています。

  • リーグA:150万ユーロ(2億円)
  • リーグB:100万ユーロ(1億3000万円)
  • リーグC:75万ユーロ(1億円)
  • リーグD:50万ユーロ(6500万円)

グループ優勝賞金

次に、各リーグのグループを優勝したチームには以下の基本報酬と同じ金額が追加で支払われます。

  • リーグA:150万ユーロ(2億円)
  • リーグB:100万ユーロ(1億3000万円)
  • リーグC:75万ユーロ(1億円)
  • リーグD:50万ユーロ(6500万円)

ファイナルラウンド優勝賞金

そして、ファイナルラウンドに進出した4チームには、最終順位に従って以下の金額が追加で支払われます。

  • 優勝:450万ユーロ(約5億8500万円)
  • 準優勝:350万ユーロ(約4億5000万円)
  • 3位:250万ユーロ(約3億2500万円)
  • 4位:150万ユーロ(約2億円)

 

つまり、優勝チームは合計750万ユーロ(約9億7500万円)を獲得できるというわけです。他の大会と比べるとそれほど高額というほどでもないですが、UEFAもある程度の収益を見込んで、これだけの賞金を用意しているのでしょう。

ちなみに、FIFAワールドカップ2018の優勝賞金は約42億円、EURO2016の優勝賞金は約33億円で、出場するだけでも10億円以上の報酬を獲得できます。さすがに桁違いですね笑

放送予定は?

日本国内でのUEFAネーションズリーグの放送予定は、9月7日時点ではまだ明らかになっていません。現時点では、DAZNも配信未定ということです。

UEFAネーションズリーグの放映権は、EURO予選やワールドカップ欧州予選の放映権に組み込まれています。2018年から再び放映権契約が更新されるのでどうなるか分かりませんが、去年まではDAZNやスカパー、民放のCS放送などに分散して放送されていました。

 

 

DAZNに放送して欲しいところですが、チャンピオンズリーグなどとは放映権契約が別なので、確実に放送されるとは言い切れません。

ただ、2017年まではDAZNでヨーロッパのW杯予選や国際親善試合も数試合放送されていたので、UEFAネーションズリーグの放送も十分考えられます。

(9月7日:追記)

UEFAネーションズリーグが開幕しましたが、結局DAZN、スカパー、民放のCS放送ですら放送はありませんでした…。僕のように楽しみにしてた人も多いのに非常に残念です。

もし、今後放送が追加されるようなことがあれば、またブログやツイッターでお知らせしたいと思います。

(9月9日:追記)UEFAネーションズリーグをDAZNで視聴する方法

UEFAネーションズリーグをDAZNで視聴できるようにする方法を公開しました!公式的な方法ではありませんが、興味のある方は一度試してみてください。

 

 

チケットの購入方法

UEFAネーションズリーグのリーグ戦のチケットは、各サッカー協会が販売します。よって、基本的には各協会の公式ホームページから購入できます。

イングランド代表やフランス代表の試合は観戦したことがあるので、代表チームのチケット購入方法も今後書いていけたらなと思っています!

 

(8月12日:追記)
フランス代表のチケット購入方法はこちら↓ 

 

(8月14日:追記)
イングランド代表のチケット購入方法はこちら↓ 

 

詳しい発表はまだされていませんが、6月に行われるファイナルラウンドについてはUEFAがチケットの販売を行うものと思われます。まだ開催国も決定してないので、それが決まり次第といったところでしょう。

 

(2019/1/14:追記)

UEFAネーションズリーグ ファイナルズのチケット販売について詳細が発表されました。チケット販売期間は、2019年1月30日23時(日本時間)から2月12日までです。申し込み枚数が販売予定枚数を上回った場合は抽選となります。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください↓

 

欧州と親善試合が組めない?日本代表への影響

UEFAネーションズリーグによる日本代表への影響はあるのか?

個人的に思ったことを書いてみたので、よかったら読んでみてください↓

 

まとめ

今回はUEFAネーションズリーグの概要について紹介しました。

EURO予選に関するルールなどが複雑で、軽い気持ちで書き始めたらかなりの超大作になってしまいました。笑

EURO予選については、弱小国でも出場できるようにリーグDから必ず1チームは出場できるというシステムは良いと思いますが、疑問が残る点もいくつかあります。特にリーグCで中位にいるチームからすると、いっそリーグDに降格してしまった方が次のEUROやワールドカップに出場するチャンスが大きくなりそうな気がします。また、リーグAの全チームがEURO予選で本大会出場を決めてしまうと、リーグAのプレーオフがリーグBの下位チーム同士だけの対戦になってしまいそうです。まあこの辺はやっていくうちに改善されていくのでしょう。

コンペティションとしては、ナショナルチームに昇格・降格というリーグ戦の要素を導入し、注目度の低い親善試合を公式戦に置き換えられるので自ずと盛り上がりそうです!最初は慣れないかもしれませんが、これから繰り返し開催されることで面白い大会になるんじゃないかなと思います!